『闇のなかの赤い馬』竹本健治著

闇のなかの赤い馬

聖ミレイユ学園で神の怒りとしか思えない悲劇があいついだ。ウォーレン神父は校庭の真ん中で落雷に遭って焼け死に、さらにベルイマン神父が密室と化したサンルームで、人体自然発火としか考えられない無残な焼死体となって発見されたのだ。「汎虚学研究会」はみんなからキョガクの連中とよばれる、ちょっと浮世離れしたメンバー四人で構成されている。部長は僕、室井環。中でも好奇心のかたまり、フクスケは女ホームズと化し、ワトソン役に僕を指名した。ベルイマン神父の死は殺人に違いないというのだ。僕は夜ごと見る、狂った赤い馬の悪夢でそれどころじゃないのだが…。

結構アダルティな作品。夢に出てくる狂った赤い馬が真相の伏線になってるのはもちろん、僕(室井環)の内面とも綯い交ぜになってくるあたりはすごいです。枚数の関係もあるのかもしれませんが、「汎虚学研究会」の面々の遣り取りがもう少し多いと良かったかと思いました。