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- 作者: 太田牛一,榊山潤
- 出版社/メーカー: 教育社
- 発売日: 1997/08
- メディア: 単行本
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五月十五日、家康公は番場を立ち、安土に参着された。「お宿は大宝坊がよかろう」との信長公の仰せがあり、接待役を惟任日向守に命じられた。日向守は京都・堺において珍物をととのえ、たいへんすばらしいおもてなしをいたした。それは十五日から十七日まで三日にわたったことである。
あと興味深い記述。
餓鬼のようにやせ衰えた男女が城の柵際までにじり寄り、飢えにもだえて耐え切れず、「ここから引き出してお助けください」と叫び、わめく声の哀れなありさまは目をそむけずにはいられない。こちらから鉄砲で撃ち倒すと、息も絶えだえのその者の所へ、人びとが集まり、刃物を手に手に持って、手足の関節を離し、肉を取る。体の中でもとりわけ頭部はおいしいらしく、首をあちらこちらと奪い合い、逃げ回っている。とにもかくにも命ほど情けないものはない。
頭部がおいしいらしいです。